フェイズ:Middle06
シーンプレイヤー:“不幸せの黒い鳥”墨染 統
場所・刻:市立奈々小学校、12/8-20:00


わたしは寂しかったのだろうと、過去の自分を俯瞰する。
見て欲しいのに見てもらえず、求められる姿にもなれない。
悪を成敗しようとしていたのは、きっと、愛されているヒーローに憧れたからだ。
でも、今は寂しくない。私を見て、守ってくれる人がいる。
けれど、何故だろう。――わたしは、それがとても後ろめたい。

愛芽「わたしは、酷い人です」

GM: 登場をどうぞ
 統(ダイス):1d10+68
 統(ダイス):1d10=(6)=6+68=74
GM: 君は、仲間から愛芽の――そしてふたばの賢者の石について、話を聞いてしまった。
GM: そして、ふたばを仲間たちに任せ、二人でなんとなく屋上へと足を向け……舞う雪の美しさに、言葉を失っていた。
GM: 愛芽「……」 なんとなく、重たい空気を察しているのか……テクテクと付いてきた彼女の口は、同じく重たげに閉ざされている
統: 「――……綺麗、だな」その重い静寂を裂くように、重い空気を壊そうとするように愛芽に話しかける
GM: 愛芽「……そう、ですね。何だか、いろんなことがうそみたいです」
統: #最初の重いを削除
統: 「…昨日からいろいろあったからな…」はあ、と吐いた息は白い
GM: 愛芽「それは……はい」 巻き込んでしまってごめんなさい。は、飽くほど言った。彼女も流石に、繰言をする気にはなれず小さく頷く
統: 「…元気出せ…っていうのは流石に難しいか。でも、あまり重く考えちゃダメだぞ?」なるべく優しく声をかける
GM: 愛芽「でも……ふたばが危ないんです。私、頑張らないと……」 ぷるぷる、と首を左右に振って
統: 「…一人でそうやって頑張って無理したらいつか必ずどこかでおかしくなるぞ」しゃがんで話しかける
GM: 愛芽「前は、わたしが護られていたんです。ずっと、ふたばがいたから、私にも意味があったんです」 無論、昔の話だけれど。彼女が居なければ自分は意味がなかったのだと、彼女は言う
GM: 愛芽「でも、でも。今は私、ふたばと関係のない所で幸せになれてます。――だから、こんどは私が、ふたばを護ってあげる番なんです」
統: 「……そのために、自分は頑張ると?」目を見て問いかける
GM: 愛芽「……はい」 力が及ぶかどうかは、戦わなければわからない。だが、彼女の目には強い意志が燃えている
統: 「でもな…俺にはそれが何だかどこか無理しているようにも見えるんだ。愛芽」
GM: 愛芽「……無理、ですか?」 思わぬ言葉に、不思議そうに首をかしげる
統: 「『頑張らなきゃ、頑張らなきゃ』って。自分で自分を追い込んでいるように見える」あくまで俺の主観だが、と付け加えて
GM: 愛芽「――……だって、がんばる、ってだいじなことです。」
統: 「そうだな。確かにそれは大事なことだ。それがちゃんと『本当に望んでいること』ならな」愛芽の目は見たままで
GM: 愛芽「ほんとうに、のぞんでいること……?」
GM: 自分の感情が、わからないのだろう。幼さ故に、募る気持ちだけが走っているのかもしれない。
GM: 教えて欲しい。そんな思いの篭った眼差しを、統へと向ける
統: 「…質問を変えよう。愛芽、お前はなんでふたばを守ろうとする? なんでそんなにふたばが大事なんだ?」少女のその様子を見て。一度少女が答えたことをもう一度問いかける。
GM: 愛芽「だいじ……大事。――私だけ、幸せになれて……ふたばがそうじゃないのが、嫌……だから?」 困ったように、頬に両手を当てて呟く
GM: 愛芽「私、ふたばが可愛そうだと……思ってる。だって、私はこんなに、今、一杯助けてもらえてるのに……」
統: 「…ふたばだって、実際いっぱい助けてもらってるさ。それに関しては俺はそうは思わないがな?」
GM: 愛芽「――そう、なんでしょうか。いや、そうなのかもしれません」 首をふるふると横に振って。ふたばの周りを思い出す
統: 「じゃあ、なんでお前はそう思ったんだ?」しっかりと目を見て問いかける
GM: いろんな人が居て、最近は普通の学校にも通って――そんなふたばの風景を見て。彼女はふと、一つの答えを見つける。
GM: 愛芽「そっか……ずっと、ふたばが私の“日常”の存在だったから。だから――今みたいな、“私たちの領分”に巻き込まれているふたばが、助けてもらえなくて可愛そうだとおもってるんです」
統: 「……なるほど」“私たち”、と言った。やはり彼女にとってのふたばはかなり特別な存在らしい。
GM: 愛芽「……私は、どうしたらいいんでしょうか」 答えはくれないが、確かなアドバイスをくれる人はいない
GM: 眼前の人物へ、大きな瞳を向ける
統: 「…俺もはっきりとした正解はわからない。俺はお前じゃないからな」暫く悩んで、それでもはっきりとそう告げた
統: 「お前とふたばが違うように、な」
GM: 愛芽「……私と、ふたばが……違う?」 首をかしげる
統: 「ああそうだ。昨日今日と行動を共にしただけとはいえ思った。お前とふたばは『違う』存在だ」
統: 「顔が似ているとか、元がクローンとか関係ない。俺にとって愛芽は愛芽で、ふたばはふたばでしかない」
GM: 愛芽「で、でも、わたしたち……一つになるために、作られたモノで」 違う場所に居ても、それは半身なのだと、ずっと思っていた。彼女が“日常”、自分が“非日常”と区分けしていたように
GM: 逆に言えば――ディアボロスがそう思うように、ずっと刷り込んできたこと。なのだろう
統: 「一つ、と言ったら双子ですら同じ存在、ということになってしまうぞ?」
統: 「一つになるとか、今はもう関係ないだろう? お前たちは別々の道を歩み始めているんだから」
GM: 愛芽「それとこれとは……」 困ったように目を泳がせて
統: 「お前はもう『黒城愛芽』という個人、じゃないのか? その名前を貰った意味すらわからない、のか?」厳しい表情のまま、問いかける
統: GM、ここでシナリオロイスの愛芽をSにします
GM: 愛芽「……っ」 あの時とった手を思い出す。何故ふたばとは別に引き取られたのか、その意味を省みる。
GM: 了解。――統のその言葉と絆が結ばれると同時に、これまで強固に刻まれていた彼女の中核――いや、中核に見せかけていた塊が、粉々に砕け散る
GM: 愛芽「……わたし。お姉さんに、謝らないといけません」 名付け親に、ずっと、失礼なことを続けていた。
統: 「……ほら、ちゃんとわかってるじゃないか。お前は『愛芽』だと知っていたじゃないか」
統: 「それがわかれば、お前の姉さんも許してくれるさ」表情を優しくして、頭を撫でる
GM: 愛芽「……はい!」 こくり、と頷く。きっと今頃……じんわりと、賢者の石は溶け始めている頃だろう。この、降り積もる雪が春を迎えるように。
GM: 愛芽「で、でも……統お兄さん」 撫でられ、目を細めながら甘えるように言う
統: 「ん、どうした?」
GM: 愛芽「お姉さん、怒ると本当に怖いので、謝るのについてきてくれませんか……?」 何かを思い出すように真っ青な顔をしてぶるりと震える
統: 「……ははっ! そうか、怖いのかー。まあ、姉さんという生物は大体そういうものだからなー」一体どれぐらいぶりに人前で声をあげて笑っただろうか。その言葉に思わず笑ってしまった
GM: 愛芽「統お兄さんにも、お姉さんがいるのですか?」 実感篭ったその言葉に、思わず聞き返して
統: 「いいぜ、一緒に謝りにいこうか。それで一緒に怒られようぜ?」少し、冗談めいた言葉を言った
統: 「ああ、いる。めちゃくちゃこえーのがいる。しかも人使い荒いからなー」家においてきた姉を思い出しながら言う
GM: 愛芽「……くすっ。じゃあ、統お兄さんの、お姉さんも今度、しょうかいしてください」
統: 「おう。紹介してやるよ! まあ、愛芽は大丈夫だと思うけどなー」はは、と笑いながらそう答えた。もう、この子は大丈夫だ。
GM: 二人の笑い声が、屋上で響いてく。
GM: それは、気の早い夜明けの声に、よく似ていた。